統計数理基盤

データ同化アルゴリズムの基礎研究

【研究の経過】

Spherical simplex近似を使うと少数のサンプルで分布を表現でき、計算コストのかかるシミュレーションの繰り返し計算の回数を抑えることができる。しかし,分布の非ガウス的な構造は無視される。

一方、Monte Carlo近似の考え方を使うと、非ガウス的な構造も表現可能だが、実際に非ガウス的な構造を表現しようとすると所要サンプルサイズが著しく増大する。

大抵のシミュレーションモデルでは、非ガウス的な分布を表現できるくらいの大量のサンプルに対してシミュレーション計算を実行するのは非現実的である。そこで、シミュレーション計算の必要な一期先予測の計算は,spherical simplex近似に基づいて実行し、フィルタの計算ではMonte Carlo近似とimportance samplingを用いて非線型・非ガウスの観測モデルも扱えるようにしたハイブリッド・アルゴリズムを開発した。

【研究の成果】

Monte Carlo近似ではシステムノイズを分布からランダムに生成したサンプルで表現する。サンプル数が少ないspherical simplex近似を行っている場合にもこれが適用されることがあるが,このとき分散共分散行列の構造を歪める可能性がある。

そこで。ランダム性を排除した近似アルゴリズムを導入し、少ないサンプルを用いた場合にも高精度の状態推定が実現できるようにした。

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