理念や概要について紹介します。
各組織の概要について
全国の研究者等に広く共同利用/共同研究の機会を提供するため、「ROIS-DS-JOINT」として、共同研究課題の募集を行なっております。
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情報・システム研究機構(ROIS)国立遺伝学研究所(遺伝研)は、遺伝学的アプローチを基盤に生命現象の本質解明に挑む、我が国を代表する先端研究機関です。これまで、DNAの構造・機能解析、ゲノム情報の大規模解析、発生や進化のメカニズム、集団進化など、生命科学における高度な基礎研究を推進してきました。
これら研究基盤をさらに発展させるため、国立情報学研究所(情報研)およびROIS全研究所が連携して、急速に進展する生成AI技術を生命科学へと導入し、新たな知の創出を目指す研究拠点「バイオ生成AI研究開発センター(AI-Empowered Life Science Initiative: ALIS)」を設立しました。遺伝研では、このALISセンターと連携し、「AI × バイオリソース × 表現型解析」による実験プラットフォームを確立。生命現象や環境応答の制御を可能とする研究を推進するとともに、全国の研究者・機関と連携した次世代型の共同研究ネットワークを形成し、AI駆動型生命科学の新たな潮流を切り拓いていきます。
第1回バイオ生成AI研究会(2025年6月開催)の様子
深層学習(Deep Learning)の進展により、大量データの中に潜む複雑なパターンや関係性をモデル化し、そこから新たなデータを生成することが可能になりました。この技術は、膨大なデータから内在する構造や特徴を確率的に抽出し、それに基づいて類似した性質をもつ新規データを創出する「生成AI(Generative AI)」として急速に発展しています。 自然言語分野では、GPTやLlama、そして情報研が開発を進めるLLM-jpに代表される大規模言語モデル(LLM)が、深層学習を言語データに適用することで、膨大で非構造的なテキストから統計的な文脈構造を学習し、その確率分布に基づいて新たな文章や会話を生成できるようになっています。
この生成AIの原理を生命科学に応用したものが「バイオ生成AI」です。なかでもゲノム情報に適用したゲノム言語モデル(genome Language Model; gLM)は、DNA配列の統計的構造や文脈を学習することで、機能的特徴や生物学的特性を推定し、配列設計に応用することが可能になります。これにより、生命現象の「理解」から「設計・制御」へと進化する、新しい生命科学のパラダイムが拓かれようとしています。
ALISセンターは、AI技術を生命科学に融合し、新たな知の創出と実験研究の革新を目指しています。特に、gLMの開発を推進し、生命配列に潜む構造や機能を理解・設計するための基盤技術の確立に取り組んでいます。さらに、画像・構造・数値データなどを扱う他の基盤モデルとの連携を進めるとともに、LLM-jpとの融合を図り、マルチモーダルなAI基盤の構築を進めています。 また遺伝研では、gLMによって得られた予測結果を実験的に検証し、その成果をモデルにフィードバックすることで、AIと実験が相互に進化する循環型研究を推進しています。このサイクルをさらに発展させ、「AI × バイオリソース × 表現型解析」を統合した実験プラットフォームを構築し、AI駆動型による生命現象の理解と環境応答の制御を実現していきます。
バイオ生成AIプロジェクトでは、開発の進捗や最新のAI研究動向の共有のため、 研究会を開催しています。 研究会はバイオ生成AIに関心がある研究者・学生の方等、 どなたでもご参加いただけます。 詳細はバイオ生成AIプロジェクトのご紹介をご参照ください。
東京都港区虎ノ門5-13-1 虎ノ門40MTビル7階
国立遺伝学研究所情報研究系ゲノム進化研究室静岡県三島市谷田1111