理念や概要について紹介します。
各組織の概要について
全国の研究者等に広く共同利用/共同研究の機会を提供するため、「ROIS-DS-JOINT」として、共同研究課題の募集を行なっております。
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2020/04/01 データサイエンス共同利用基盤施設
データサイエンス共同利用基盤施設(ROIS-DS)は、大学共同利用機関ではない新しいタイプの研究施設として情報・システム研究機構に設置された研究組織です。2016年度の設置以来、ROIS-DSは、*既存の研究コミュニティの単位を超えた大規模データの共有及び解析の支援、*データサイエンスを推進する人材の輩出による大学・研究機関の研究力強化への貢献、*上記によるデータ駆動型の分野融合研究及び新分野創成の促進を目的に、共同研究事業、研究支援事業、人材育成事業を柱とする事業活動を推進してきました。 また、ROIS-DSを取り巻く近年の社会状況として、データサイエンスに対する要望が当初の想定以上に急速に強まっています。既に滋賀大学をはじめ全国で20を超える大学においてデータサイエンス学部、データサイエンス研究科が設置され学生教育が始められています。国レベルの施策としても、統合イノベーション戦略推進会議が決定したAI戦略2019の中で未来への基盤作りとして教育改革が取り上げられており、その中で、デジタル社会の「読み・書き・そろばん」である「数理・データサイエンス・AI」の基礎⼒を全ての国⺠が育み、あらゆる分野で⼈材が活躍することを目指し、2025年までに初等中等教育修了時に基礎的なリテラシーを獲得(約50万人/年)、一部の高校、高専、大学生の50%(約25万人/年)に応用基礎レベルの教育、さらに世界で通用するエキスパートレベルの人材育成を約2,000人/年(うち、トップクラスを約100人/年)を大目標に掲げています。しかしながら、我が国においては、これらの教育の基礎となる数理統計を専門的に修めた人材が圧倒的に不足しているという大きな問題があり、データ駆動型のアプローチを必要とする個別の研究分野においても人材不足問題が存在すると思われます。社会の各層でデータサイエンティストとして活躍できる人材は上記のデータサイエンス学系の大学、高等専門学校から次第に供給されるとしても、そうした組織の現場で実際の教育を担当する教員及び個別の研究分野における専任教員(研究者が自身の研究の片手間に教えるのではない)の必要性は深刻化するものと思われます。 こうした状況に速やかに対処するため、当施設では2020年度からデータサイエンス教育人材(DS教員)養成事業を開始しました。
この事業は: 1)統計数理研究所(以下、統数研)と協力し、データサイエンス教育に関わる人材(研究者等)を養成する事業を、まずパイロット事業(Phase1)として開始します(図1参照)。本事業は、急速に整備・設置が進められている大学等の数理・データサイエンス教育研究拠点や各々の研究分野においてデータサイエンス教育を担当する教員(以下、DS教員)の増強が喫緊の課題であることから、DS教員の養成・輩出を目的とするものです。 2)本事業は、図1に示す下記の事業内容を想定しています。 研修期間を1年~最長2年間程度とし(大学や企業からの派遣研修については、別途決定): DS教員の必須技術の取得(必須科目) (1)分野共通の統計学的知識 →不足している知識体系を習得 (2)DS技術教育力(中間) →模擬講義や作問練習などによる教育力養成 (3)個々の専門分野におけるDS的研究力 →論文執筆能力及び研究指導力の養成 教員資質の向上(追加選択科目) (4)OJTによるデータ分析演習 (5)ゼミ指導力に関する養成プログラム (6)コンサルテーション能力の開発 (7)教材開発に関わる共同作業への参加 (8)企業等との共同研究の企画運営 3)本パイロット事業において、研修体系・フォローアップや認証制度の設計は、DS施設と共に統計数理研究所統計思考院が担当し、滋賀大学をはじめとする6大学拠点20協力大学へのDS教育・研究者養成事業への協力打診、特に教育経験のあるシニア教員の協力を得る可能性・被育成側若手教員の当施設への派遣の可能性について意向打診等を進めてまいります。また、本パイロット事業の成果を元に、次期中期目標期間に規模を拡大したPhase2事業へと移行する可能性を検討します。
※事業担当教員の公募について: 上記の事業において教員育成を担当する教員を、DS施設において公募いたします(詳細は採用情報をご覧ください)。
図1.データサイエンス教育人材(DS教員)養成事業