レジリエンス理論の構築
複雑かつ大規模なシステムのレジリエンス性を評価するためには,汎用的な数理モデル上で様々な動的特性を解明する計算論的手法が不可欠である.我々は特に大規模システムを様々なネットワークモデル(Boolean, Constraint, Baysian networks等)として捉え,想定外のイベントに対するシステム構成の動的変化を効率よく表現するモデリング技法を考案する。またネットワークモデルにおいて,1) 外乱及びシステム変数に対する敏感性,2) システム状態の予測不可能性,3) 文法的また意味論的なシステム状態間の距離の概念の導入,4) ソフト制約をできる限り多く満たすネットワーク構成の更新,5) マルチエージェントにおける多目的最適化問題等のダイナミクスを分析する計算理論の構築を行い,レジリエントなシステムを設計するための一般的原理の解明を目指す。