異分野の「知」と「人」の共有・連携を行う基盤を構築し、異分野融合効果的な共同研究の促進と、その成果としての「融合知」の創出を目指します。
インターネットを通じて様々な学術情報・学術サービスが公開・提供されるようになったが、単にWebに公開しただけは相互運用性がなく、情報を十分に活用することはできない。特に、近年学術分野においても情報爆発が起こっており、これに対応するため、学術情報に関する各種電子アーカイブが整備されつつある。また、多種多様な分野における研究人材データや研究用のデータベースも電子化されてきた。世界的な研究開発の加速・競争の激化の中、整備されつつある研究データ・論文アーカイブ・人材データベース・研究用ミドルウェア等をいかに有機的に連携し、柔軟かつ機動的に共同研究を進めるかということが、日本が科学立国としての地位を維持する上で、鍵となる。
しかしながら、現状においては、これらの学術情報・学術サービスを有機的に結合する手段は未成熟であり、人材と研究に関する連携力が充分に発揮されているとはいえない。また、情報技術から遠い学問分野においては、このような潮流の認識が諸外国に比べて進んでおらず、取り残される危険性がある。
この問題を解決する手段として、すべての学問分野の研究者にとって使いやすくまた柔軟性のある学術知共有・学術連携促進基盤を構築する必要性がある。
各研究者にパーソナライズされた研究情報を的確に推薦するための手法を研究開発するものである。
オントロジー構築とオントロジーマッピングにおいて集中型でなく分散型の仕組みを導入し、情報をオープンにアクセス可能な形式で公開する仕組みを構築する。
連想情報学における異種情報の結合・分類手法を深化させて、背景知識や専門性が異なるユーザでも、自分が理解可能な情報を手がかりにして、より正確で信頼できる情報に辿り着き、それを学べる情報利用環境を構築する。
他の研究機関や大学、主要研究プロジェクトと連携しながら、データの相互連携を促進するためのハブとなるシステムを構築し、爆発する情報空間から、各研究者に有用な学術・研究情報を取捨選択して提供するパーソナライズされたサービスを構築することを目標とする。